YAMANA Lab.

東京理科大学 工学部第二部建築学科 山名善之研究室

アーメダバードの建築 B・V・DOSHI編

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ル・コルビュジエとルイ・カーン以外のアーメダバードの建築を紹介します。

B・V・DOSHI編

ARITA HOUSING 大きな地図で見る

ドーシの最初の仕事で、彼にとって一番好きな自分の建築だと言っています。カタルーニャヴォールト(?)や、建物の前後に庭を配置し、外部を居住空間にする形式などは、ル・コルビュジエがチャンディーガルで計画したが建設されなかった低所得者向けの住居と良く似ています。ドーシがそのプロジェクトに関わっていたので、恐らく、その経験を基に設計したのではないでしょうか。場所はIIMAの反対側にあります。

L.D. Institute of Indology(1959) 大きな地図で見る

研究施設兼美術館の事務棟です。これは、まさにコルビジャンとしてのドーシの作風だと言えるでしょう。

Centre For Environmental Planing & Technology(通称CEPT)(1960年代~) 大きな地図で見る

ドーシが設立したインド有数の建築学校のCEPTです。この建築あたりから、ルイ・カーンの影響というか共通点を感じます。例えば、カーンの原初の学校の話「木の下で教師と生徒がいれば、そこは学校である」を実現するかのように、樹木が効果的に配置され、教師と生徒が談話している姿を見かけます。それと中庭が素晴らしくカーンの庭と雰囲気が似ています。ただし、建築の造形及び材料のボキャブラリーは、インドのル・コルビュジエです。

Hussain-Doshi Gufa(1991) 大きな地図で見る

CEPTの敷地の一部にあるインド人芸術家のHussainの為の小さな美術館です。ドーシのそれまでの造形とは異なり、インドでも好き嫌いが別れ、話題作だと言われています。しかし、私が思うに、これはドーシにとってのロンシャンの教会であり、彼が芸術として建築を作った場合、このような表現になるのではないかと思います。ちょっと写真が良くないので、気になる人はググって下さい。

Sangath(1980) 大きな地図で見る

ドーシの自分の事務所です。彼は、自分自身を認識する事が重要だといっています。ただし、コルビュジエの事務所にいた時は、コルビュジエになり、カーンと働いていた時はカーンになっていた。そしてこの事務所にいる時は、自分が自分になると言っています。その為か、この建物は、コルビュジエやカーンとの経験が完全に消化され、オリジナリティーを獲得した最初の作品とも感じられます。あと、外部空間がとても良いです。

Mahatma Gandhi Labour Institute(1984) 大きな地図で見る

ガンディー労働研究所で、ガンディーがアーメダバードに生まれた事を記念して建設されました。ヴォールトが素晴らしく、柔らかい光が室内におりてきます。

Township for Life Insurance Co. staff housing(1973)

Life Insuranceと呼ばれる組織の為の住居です。非常に住み心地がいいらしく、長い間住んでいる人が多いそうです。一方で、実際に中に入れてもらうと、確かに窓の配置などが素晴らしくインドの気候に適用しているのですが、通風の為の中庭なんていらないって意見も聞きました。もちろん中庭の意義を説明しておきましたが・・。

これらの建物を見たい人は、Sangathのオフィスで建築MAPがもらえます。英語版しかありませんが、そのうち日本語版も作られるかもしれません。

次回はアーメダバードのチャールズ・コレアを紹介ます。コレアも昔はアーメダバードを基点にしていたので、沢山建物が残っています。

「ARANYA」 B・V・DOSHI

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今回は、ドーシのハウジングプロジェクトを紹介します。Aranyaはインド中央部のインドールで計画されたスラムクリアランスに伴う再開発計画で1980年代に始まりました。最大の特徴は、階段と給排水設備、街路の幅、及び一部商店だけを設計し、住居部分は住民によって自由に建設できるという事です。その目的は、インドの伝統的なコミュニティーを再開発の町に作り出す事だとドーシは言っています。

この写真が街路の写真で、一見普通の町にしかみえません。実際に見に行った自分もドーシに確認するまで、これが彼の作品だとは確信できませんでした。

ドーシは、このプロジェクトは建物を住民が変えていいものだし、そこに住民の幸福があればいいと言っています。この幸福を求める事は、コルビュジエが人間の幸福を尺度にする(三つの人間機構など参照)と言っている事のドーシなりの解釈だと思います。

下の写真の三角屋根が商店で、建設当初と同じ形をしています。

この作品を通して、建築家のオリジナリティーの意義と住民の幸福との関係などを考えさせられました。建築家が大衆的な意味での作家性を押し出した建築と住民の幸福は比例関係にあるのか?ドーシに聞いたら狭義の意味での定義はここでは意味がないと言われそうですが・・・。

なおドーシはこの計画でアガ・カーン賞を受賞しています。

Kamala house (B・V・DOSHI自邸)

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Kamala houseは、B・V・DOSHIの自邸で、Kamalaとは、彼が敬愛する母親の名前です。a+u社の20世紀のモダンハウスⅡに紹介されている住宅の一つです。

Doshiは、光が満ちた4本の柱に囲まれた場所の階段を、頭に砂を載せた(インド式の運び方)女性が、登っていく姿とみて、この建物のインスピレーションを得たそうです。

また逸話として、この家の図面をみたカーンが、彼のサーバントスペースとサーブドスペースの理念が成り立っているといっていました。

建物は、15m角の正方形で、中央に正方形のスペースがあり、その正方形の辺に接した長方形がサーバントスペースとなって、4つの居室を区切っています。この部屋同士が回遊性に優れ、数値以上に広さを感じさせます。また、外部空間との接続も素晴しく、外部テラス、そして庭もリビングと一体化しています。

そして其々の居室にインナースペースを作り、更に部屋に奥行きがありました。

「部屋同士の関係×外部と内部×インナースペース=豊かな空間」という式が成り立っているようです。物質的には同じ場所でも、沢山の意味があり、それらの関係が空間の豊かさを生み出しているのではないかと思いました。

それは、まるでインドの文化のようでもあります。DOSHIが、コルビュジエやカーンに師事しながらも、彼の彼自身である事を持ち続けたのは、インドの文化を、そして彼の感覚を決して忘れなかったからかもしれません。

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