Written by: 2011
今回は、インド経営大学バンガロール校を紹介します。インド経営大学はルイ・カーン設計のインド経営大学アーメダバード校(通称IIMA)が有名です。IIMAはドーシが依頼を受けた計画を、インドの建築の未来の為に、ドーシがカーンに設計を依頼し実現しました。ドーシは共同設計者として実務を担当し、IIMAは1974年に完成しました。そして、インド経営大学バンガロール校(通称IIMB)を設計し、IIMBは1977年に完成しました。カーンの模倣者がただの形態の模倣を行ったのに対し、ドーシはIIMBでインド人として、インドの精神と風土を意識すると同時に、カーンの様な哲学的な意味での学校を実現しています。インド人らしい感性として、外部と内部、自然との関係で、IIMAで樹木が重要な要素であるが建物と樹木が分離しているのに対して、IIMBでは、東洋人の自然観のように建物と樹木(自然)がより融合しています(最近の建築だと、石上純也さんのベネチアビエンナーレ日本館の樹木のように建物と対等です)。そして、IIMAとIIMBで似ているのが、学ぶ場としての雰囲気で、それは、あらゆる場所が教室になり、そして学ぶ場所のもつ寛容さが感じられる事です。ドーシは寛容さについて、一例として、経済的には無駄なスペースが(例えばIIMBでは廊下の中にある庭)が寛容さを生み出すと言っていました。
この写真は、ホール兼廊下の写真で、上部と左右が開いていて、更に建物の内部に庭があります。この庭に所謂機能はありません。しかし、豊かな寛容な空間をつくっています。


遠くの人も見えるように、同時に見えない場所があるようにシークエンスとTransparencyが組み合わさっています。

下の写真のように光と影の作り方は、カーンやコルビュジエと共通するものがあります。

自分は、このインド経営大学をドーシの、そしてインド近代建築の最高傑作の一つだと思っています。しかし、ドーシの建築は写真や文で良さを伝えるのが非常に難しい。見学する前にみた、ウィリアム・カーティスが編集したドーシの作品集でもIIMBはそれ程良いとは解りませんでした。しかし、この難しさは、東洋人のもつ直感的な価値観、例えばヨガや坐禅を学んだものだけが知る価値観のように伝えることが難しいのかもしれません。でも、それを体験したものだけが知る素晴らしさがありました。この分かりづらさと直感的な素晴らしさが、ドーシの建築の最大の特徴かもしれません。
Written by: 2011
インドの近代建築で、今回はついにル・コルビュジエとチャンディーガルを紹介します。
チャンディーガルのル・コルビュジエの作品としては「カピトル・コンプレックス」の「議事堂、総合庁舎、高等裁判所、オープンハンド、その他の記念碑群」が有名です。これらを普通に見学しても非常に素晴らしいのですが、今回は変わった見学方法を紹介します。それは「明け方」の「カピトル・コンプレックス」の「広場」です。ル・コルビュジエはスケッチブックに、「カピトル・コンプレックス」とその背後にあるヒマラヤ山脈を数多くスケッチしています。その彼が描いたイメージが最も美しく見られると思うのが、「明け方」の広場で、静寂の中、朝の淡い太陽の光が、建物のシェルエットを柔らかく映し、霞のかかった薄紫のグラデーションのヒマラヤ山脈を映します。見た瞬間に「これがコルビュジエのイメージか!!」と一人叫んでました。僕の技術では到底、この美しさを写真に取る事ができませんでしたが、参考程度にコンデジで撮った写真を載せておきます。撮影した時間は、午前4時前だと思います。
なおカピトル周辺は、警備が厳しくこんな朝早くに行くと怪しまれます(笑)、なので行く場合は、カピトルの建築の許可書を持って、尚且つ交渉を覚悟して行って下さい。



ウィキペデイアのオープンハンドの写真は、早朝の写真だと思われます。多分、あの写真を撮った人もあの時間帯が美しい!と思ったのでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Chandigarh_Monument.jpg
Written by: 2011
インド人若手有名建築家と地元ホテルのオーナーから、カーンが来たよ、と聞いて記事を書いたのですが、質疑がありB•V•ドーシに確認を行ったところ、カーンはマンドゥに来ていないそうです。しかし、逸話として、ドーシがiimaの完成後にマンドゥの写真を見せたら、彼がとても驚いたそうです。そして、「適切なプロセスを踏めば、すべての建築は同じようになる」みたいな事を言っていたそうです。ご質問ありがとうございました。(21.04.10追記)
アーメダバードの近郊にサルケジ・ローザという15世紀のイスラム王朝の建設した宮殿跡があります。貯水池を囲み、多くの宮殿やモスクが建てられています。インドの近代建築に影響を与えた1人であるル・コルビュジエがサルケジ・ローザを訪れ絶賛し、チャンディーガル都市計画のカピトルの造形に影響を与えた事でも一部では有名です。
インドの近代建築に強い影響を与えたもう1人はルイス・カーンですが、彼のインド経営大学アーメダバード校(IIMA)に驚くほどよくにたインド建築も存在します。それはマンドゥの遺跡群と呼ばれ、アーメダバードから700kmほど離れて場所にあり、サルケジ・ローザと同じくイスラム王朝によって建てられた貯水池を囲む宮殿跡があります。
配置計画は、サルケジ・ローザに似ていますが、建物の雰囲気はサルケジの軽やかさに比べて重厚です。マンドゥの特徴的なアーチは、半円の下に梁が入っている事です。IIMAの窓とアーチの構成に似ています。更に、インドで唯一サークル状の窓があります。また、同行した人に気付かされた事として、窓や出入り口、アーチの先に建物を含んだ風景があり、これもIIMAの特徴に似ています。これらの建築をカーンはみていなかったそうですが、後日、ドーシが写真をカーンに見せたところ、非常に驚いていたそうです。







カーンはここに10日ほど滞在しスケッチをしたそうです。
卒業後の記事の更新はこちらへhttp://juichi1.blog97.fc2.com/
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インドの最初の近代建築と呼ばれるアントニン・レーモンド設計、ジョージ・ナカシマ現場監督によるシュリ・オーロビンド教団の寄宿舎、通称ゴルコンデGOLCONDE(1938-1948)を見てきました。

レーモンドらしい華麗な近代建築とジョージ・ナカシマによる家具並の精度のディテール、そして教団信者による喜捨としての建設労働と完全なメンテナンスの結晶でした。
特徴は、南北両面の全面稼動ルーバーで、クーラー無しで快適な内部空間を提供しています。また内部空間は、禅宗の宿坊のような雰囲気にジョージ・ナカシマのオリジナルの家具が完全に調和していました。


可動ルーバーは、ル・コルビュジエのブリーズ・ソレイユの改良だと思われますが、チャンディーガルと違って、完全に今でも効果を発揮しているようです。可動ルーバーが今でも使われているのは、ジョージ・ナカシマの家具並のディテールと信者により熱心なメンテナンスの結果で、衝撃的と言えるほどの保存状態でした。
資料の収集と関係者のインタビューをしてきたので、そのうち詳しく文章を書きます。
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